格安SIMに乗り換えても電話番号って引き継げるの? ~MNPを使えば安心

ガラケー時代から通信会社を変えずにスマホに移行した人、けっこういますよね。「大手ならなんとなく安心だし」「メールアドレス変わるのが億劫」「スマホじゃ料金ってこんなもんでしょ?」いえいえ、高くても仕方ないと思っていたらもったいない。毎月数千円、節約できるかもしれないチャンスがここにあります。

その名も「MVNO(エムブイエヌオー)」!

順を追ってご紹介しましょう。

「MVNO」って何だろう

MVNO…その前に、まず前提である「MNO(エムエヌオー)」を知りましょう。

MNOとは「モバイルネットワークオペレーター」。通信事業者の中でも、自社で無線通信ネットワークを持つ事業者を指します。具体的には、日本ではNTTドコモ、ソフトバンク、auなど「キャリア」と呼ばれる3社がMNOにあたります。基地局の建設に始まり、ネットワークの構築・維持に莫大な費用がかかるため、前出の3社のように力を持った大企業でなければできません。維持費として、一説には年間数千億円かかるといわれています。

それに対し、MVNOとはMNOに「V=virtual=仮想の、インターネット上の、バーチャル」が入る「モバイルバーチャルネットワークオペレーター」で、既にあるMNOのネットワーク設備の一部を借り受けて事業を行う企業のことを呼びます。日本でも2001年に事業が始まりました。CMでもよく見かける「Y!mobile」「UQ mobile」「楽天モバイル」「mineo」などがこれにあたり、さまざまな規模の事業者200社超があるといわれています。

MVNOの仕組み

MVNOは、MNOの設備やネットワークの一部を借り、利用者に細かく分けて提供する会社です。

通信のしやすさを、川に例えてみましょう。水が多く流れるほど、通信がスムーズに行えるとイメージしてください。流れないと、パソコンでも感じたことがあるであろう「重い」状態になります。

ふつう、狭い川より広い川の方が多く水が流れます。この広い川を整備し、たくさん水を流しているのがMNOです。広いので、一度にたくさんの人が水を汲みに来ても窮屈になることはほとんどありません。MVNOはその広い川の隅の方を一部支流にしたもの。細いながらも流れがあるので、水はくむことができます。少しの人数で少しずつ水をくむなら不便はありませんが、細い支流にたくさんの人が押し寄せると、一人分の場所は狭く汲む水の量も少なくなってしまいます。現在、日本ではその“支流”がたくさんできてきました。

総務省によると、日本国内の携帯電話の環境はキャリア3社に集約。既存ユーザーとその家族などを囲い込むためのサービス競争のみが過熱し、価格競争が起こりにくくなっている状態でした。ユーザーが携帯電話をどう利用したいか、どの程度利用したいか関係なく、高い通信費を払って“当然”になっていたのです。

MVNOの登場は、必然でもありました。

つまりMVNOは、キャリアに比べ小規模な事業者でも参入できます。スマホに詳しい人が使いこなすイメージかもしれませんが、初心者に近い高齢者や学生などにも多数愛用されています。ある大手スーパー系のMVNOは、利用者の半数が65歳以上の高齢者といいます。スマホに興味があっても「キャリアスマホは高額で、きっと使いこなせない」と感じていた人が、MVNOならと気軽に使い始める背景があるようです。
一方、後発ならではの強みを生かし、バリバリに使いこなす人などターゲットを絞ったサービスに特化したものが登場しています。

【例】
データ容量別に月額が設定される料金プランが4種類。5Gバイト月額税別1500円から。音声通話機能オプション月額税別600円を付けるとD回線での電話ができる。

プラス月額税別500円で、対象のゲームやコンテンツ、SNSデータ通信料の9割以上をカウントせずに利用できる。ゲームと連動した特典がついたり、月ごとにプレゼントされたりする利用特典もある。Twitter、FacebookなどのSNS、動画配信サービスのAbemaTV、音楽配信サービスのAWAもカウントフリーの対象。

もともと、MVNOが得意としているのは音声通話部分ではなくデータ通信の部分。既にスマホでMVNOを使っているユーザーに向け、新たにタブレットと2台持ちしてもお得な料金設定をしているMVNOもあります。スマホ自体の料金と合わせ、自身や家族のインターネット環境を見直してもいいかもしれません。

MVNOのメリット、デメリット

MVNO=格安スマホのメリットはその名の通り、料金が安いこと。その安さは、キャリアから通信回線を借りる、つまり設備投資・回収しなくていいことで実現しています。回線のレンタル料はかかりますが、利用者が広がる全国に基地局を建て維持する金額に比べ たらはるかに安価になります。

ほかにも、まちのあちこちでキャリアの店舗を見かけるのと比べ、MVNOは実店舗が少ない、もしくはほとんどありません。つまり顧客と直接つながる窓口の数を絞り、ネット販売や電話対応に特化することで、人件費などを削減しています。

上記のように安さを追求した結果、デメリットも出てきます。回線の一部をレンタルしているため、利用者数の増加に伴い回線の“渋滞”がおき、時間帯によって遅くなることが考えられます。MVNO全般に言えることですが、利用者数が増えると通信速度が低下する傾向にあることは間違いありません。大手キャリアに比べサポートセンターなどの窓口も少ない、もしくは電話のみになるために、『トラブル時に店舗に駆け込む』といったことはできません。スマホに疎い人でも、手厚いサービスは期待できません。ある程度は自分で何とかする知識と覚悟が必要になってきます。

まとめ

これまで申し上げた通り、MVNOの最大の魅力は値段。現在、格安スマホを扱う事業者はたくさんありますから、数多くあるサービスの中から上手に自分に合ったものを選んでいくことが必要です。よくよく調べないで買うと、適切でないプランだったり肝心な時に保証が受けられなかったりと、結果的に多額の出費という事態になりかねません。

個人的にMVNOのスタートは、スマホに詳しい人が身近にいるときは購入の手助けをしてもらい、そうでなければ対面の窓口が身近にある会社から選んだ方が安心なのではと考えます。

慣れればMVNOを乗り換えたり、2台目として上手に使いこなしたりと、世界を広げていくことも可能です。そうすれば、より「やりたいこと」と「納得の利用料金」のバランスが取れたスマホライフが送れるはず。

自分は詳しくないから…と躊躇せず、情報を集め、新しいことを始めてみてはいかがでしょう。